sohいう話

自由気ままに好きことを長く書きます

ザ・クリエイター/創造者

 

どうも、sohです。

 

今月は「インプット期」で、芸術(特に映画)に多く触れるようにする強化月間みたいのが個人的に定期で来ます。

故に、観た本数や映画館に足労した回数が他の月に比べ多い。それがうれしい!たのしい!大好き!ってな感じです。

 

基本、映画の感想みたいのは得意じゃないんですが自分の中で整理するためにブログにしようと思います。「敢えて」やることに躊躇しない。

 

そして観てきた作品は「ザ・クリエイター/創造者」です。

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監督はギャレス・エドワーズ

「最後のジェダイ」「ローグ・ワン」など最近のスターウォーズシリーズを手掛けています。自身がデビューする前から温めていたオリジナルストーリーがSF超大作として実現する形になりました。

 

公開前からちょこちょこ情報は見かけていて気になっていました。ただ、自分の好きなSF観がありこだわりというかディテールがあるのですが、予告やあらすじから面白そうな「近未来」に思えたのでより楽しみにしていました。

 

最初に結論から述べると「面白かった!!!!!」

感想を云々より、まずこの気持ちを伝えたい。何が面白かったかはこれから拙く書きますが、この映画が出来上がるまでに関わった全ての人にリスペクトを込めて言わせてください。

 

舞台は現在から約半世紀ほど未来の地球。

AI技術が人間の生活や存在に対等してくるほどまで発達した世界で、ある日AIの誤操作による核爆発が発生する。その事件から人類とAIの争いが激化していき、"AIの創造者=ニルマータ"が作り出した新たな兵器を破壊するため、元特殊部隊の主人公ジョシュアが任務に勤めるところから展開していくあらすじ。(出来るだけ控えますが、ネタバレは避けられないのでご了承ください)

 

感想を述べるにあたって、冒頭にある自分のSF観について少し説明します。お付き合いください。SFのなかでも"近未来"が好きで、作品だと「攻殻機動隊」が一番好きなんです。サイバーパンクと言われたりしますが、現実と未来(理想)のバランスが絶妙で、宇宙戦争や車が空を飛ぶような部分がサイエンス・フィクションなのにある意味夢が無い現実性が大好きというか。

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冒頭に出てくる説明文なのですが全てですね(笑)

自分なりに分かりやすく伝えると、技術はメキメキと高度に発達してほとんどがAIや科学技術に依存しているんだけど、人間の根本にある「営み」みたいなものは機械が勝ることはない。

故に、私はこれを基準にSF映画を観るので(ある程度好みに沿って選びますが)自分の感覚とどう違うかなというのをいつも楽しんでいます。

攻殻機動隊のブログも書いてるのでよかったら是非。

 

この映画でのAIは「人間の生活を手助けする/寄り添う」存在に思えました。技術が発達すれば軍や警察を初めとする「武力」に利用されることが考えられます。ですが、観ていると特殊部隊として現れるアンドロイドも武装に特化しているよりもよりノーマルな人間に近い造りだったり、パワードスーツのような兵器が登場しなかったので「(人型でない)兵器」以外の利用においてAIは優しい印象で、どちらかといえば介護や生活補助などの目的が強い世界のかなぁとか。作中で渡辺謙が演じるハルンも「(元来)AI側は人間に敵対していない」というニュアンスの台詞があったので、そもそもAIと人間の立場がハッキリしています。その分、AIの「個性」みたいなものは他よりも強い印象です。より人間と近い生活を送っている為に人間を学習して、個体にデータを落とし込む。いわゆる「営み」の理解度が高いと言いますか。人間から多くを学ぶことでAIの存在(平穏)は望みますが、人間と敵対することを皆が望んでいるわけでもない。だからニューアジア(作中に登場するアジア圏)の片田舎にいるAIは現代に執着していませんし、農業などをしています。

ここで監督の設定や細かい好み/ディテールが分かるのは面白いです。どう自分のSFを思い描いているのか。

 

個人的にですが、「AIが人間に勝る」ことは無いと思っています。人間が利用するために造られていることがまず一点ですが、反乱や暴走の仮定するとそもそも人間に対してそれが起こり得る学習能力を搭載しないと思います。また、余談ですが将棋の藤井聡太氏はAIが分析した最適手を選ばずに勝利して話題になったりしますが、勝負師に限らず職人など人間にしかない「感覚」を取得することは無理だと思います。学習から情報を元に真似や理解することは出来ても、そのものから"芽生える"ことは単純に機械だから無い。AIがそれを手にした段階は人類は滅亡に限りなく近い。かなり思想強い感じになってしまいましたが(笑)、そういう点でもこの作品を通してAIの立ち位置は好きでした。

 

また、半世紀が経ったとしても世界に変化が無い、諸外国の格差やパワーバランスは時間じゃ解決しない根深いものなのだなとか。核爆発が起きた場所はアメリカのロサンゼルスなのですが、当初の報道では「AIによる誤操作」でした。しかし、事実は「人間による誤操作」で人間によるミスを機械であるAIに擦りつけていました。人間よりよっぽどミスが少ないのに。イラク戦争などに似ていて、傲慢さや印象操作やシンプルに隠蔽とか絶えない。それ以外にもニューアジアという作中のアジア圏では逆にAIとの共存や推進に好意的です。未だに海外におけるイメージがあるのかもしれませんが、ディストピアでありながらも経済や文明の市場として重要な拠点で故に犯罪なども共存する感じのアジア。中国が起点な雰囲気。作品もAI反対の米国vsAI賛成のアジアという戦争構図です。これ以上のことはいろいろと怖いので控えますが、そういった背景感も好みです。

 

そして、作品の肝になる「共存」と「決断」

ニルマータが創り出した「人類を滅ぼす兵器」である少女のAI アルフィー。彼女が人間とAIの架け橋になるキーパーソンですが、いかにも子どもなんですよね。まるで人間の子どもかのように。それはニルマータが意図して造ったのか、今までに無いAIである能力の高さなのか、はたまたその両方か。それぐらい純粋で罪のない存在ですが、彼女が最重要人物である対比が胸打たれる場面が多かったです。彼女は全ての機械に司るような能力を持っています。合掌して祈るだけで電源のオン/オフを操作出来たり、ニルマータが造ったということでAIたちから絶大な尊敬を受けています。そんな彼女がジョシュアという人間と自身も含めAIという機械を未熟ながら理解して行動しようとします。いわばハーフですよね、だからこそ架け橋になる存在として描ける。彼女から「共存」を考えさせられる。

そして、主人公のジョシュア。彼は過去にニルマータの暗殺を目的とした潜入捜査をしますが、あと一歩のところで捜査がバレてしまいます。潜入していた組織にいる女性・マヤと恋仲になり子どもも授かります。しかし、捜査がバレてしまったタイミングでマヤにも気付かれ、裏切られた思いで船に乗り逃げられてしまいます。ですが、その船はすぐさま米国の爆撃にあい、目の前で最愛の妻と子どもを亡くします。それからは軍を離れ孤独に暮らしていました。しかし、ある日マヤがまだ生きているという情報とともにアルフィーの破壊を目的とした作戦を軍から命令されます。ですが、そこでアルフィーと出会い、真実を知り、最終的にジョシュアは決断します。人間として、父親として。その決断は現代社会においてもヒントになります。様々な問題が世界的にあるなかで、「自分はどうするか」という「決断」のメッセージを感じました。

 

その他でいうと、車が空を飛んでいないのは好感が持てたり、劇中歌と世界観のアンバランスさが絶妙なカオスを感じて良かったり、顔だけで人間が感じられれば自然と慣れちゃうのかなとか、アンドロイドを作る工程を担うのはやっぱり人間なんだとか、ゲームボーイのカセットみたいのにデータ移して死んだ個体の情報を見たりしてたけど描写がないだけで電脳化みたいのは普及してんのかなとか、見ていてとってもワクワクしました。

それに、展開が「ゲームシナリオ」みたい。

話もチャプター分けされてて、展開の速さもゲームをプレイしているような没入感に近かった。だから感情移入しやすのかなぁとかとかとか。

 

 

てなわけで、観た人と意見交換したい気持ちですが、一旦私の外部記憶として書きたいことは書いたので良しとします。ブログもこれで終わります。唐突に終わります、すんません。

 

バーイ、センキュー!🙋‍♂️