sohいう話

自由気ままに好きことを長く書きます

たりてないって話

 

どうも、sohです。

 

書こうとして、書くのをやめてを繰り返して書こうと思いますっていうブログです。

好きなものを語るときどこから話せばいいか分からなくなり書けないタイプなので、ある程度言いたいことがまとまるまでは下書きにずっと温められてもはや冷めてしまい「温めて食べてね」っていう母の愛まで感じます。

かましいですね。柄にもなく小っ恥ずかしい気持ちがあるので躊躇してます(笑)

 

今回は私が好きでやまない「Creepy Nuts」のブログです!

この期に及んでなぜCreepyNutsなのかは、NBA以外のことも書くようになったから尚のこと前々からブログにしたかったんですよね。

既にご存知の方がいるかもしれないし、いないかもしれない...。1ファンの戯言に付き合っていただけると幸いです、ちょうどいい読み物を目指します。

 

まずは、Creepy Nuts とはなんぞや?という方のためにも説明させてください。

 

CreepyNuts

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MCバトルの大会で三連覇を果たしたラッパーのR-指定(左)とDJの世界大会で優勝したDJ松永(右)の二人からなるヒップホップユニット。

 

という感じです。

いやね、ほんと二人とも経歴がちゃんとあって助かりました。こんな簡潔な文で済みますから。もちろんこれからたくさん魅力を語りますので、大雑把な説明だけしました。

 

では、その魅力とはですよね。

それはズバリ、「最高に不器用なHip-Hop」にあると思います。

Hip-Hopという音楽ジャンルに持たれるイメージ(特に日本)はほとんどが「怖い」「悪い」「危険」だと思います。事実、カルチャーの起源はアメリカで貧困やスラムからドリームを掴んで成り上がるという風潮が第一にあります。

そのため「この場所を抜け出すためにやれることは全部やった」とか「"クスリ"を捌いて生活を繋いだ」みたいな歌詞がよく出てきます。またHip-Hopは前提として「自分について」歌うため、ルーツや武勇伝で自分を大きく見せることでイメージを生んでしまうんでしょう。

僕も含めHip-Hop好きはそのイメージ、音楽性に憧れたりかっこいいと思うわけです。

 

じゃあCreepy Nutsはどうなんだ?

それがですね、全然冴えないんですよ。

Hip-Hopに生きる人、特にラッパーはヤンチャだったりワルいから女性からモテるんですよね、でも二人は全くモテない。学生時代イケイケだったかと聞かれれば、むしろヒエラルキーの低い教室の後ろでくすぶっているようなタイプ。文武両道はおろか両方できない。女性と話すのが苦手で"みんな"を嫌う。そのくせプライドが高く自己顕示欲が強い。

Hip-Hopとは到底ほど遠いどうしようもない二人の何が魅力なのか。。。

 

そう、それは僕と同じで憧れているんです。

Hip-Hopというカルチャーが好きで憧れを抱いてる。でも自分たちは憧れるような立場とは対極にいる存在。「そんな俺らでもHip-Hopがやりたい!」の原動力で作る楽曲がとてもかっこいいんです。

Hip-Hop用語に「ナード」というものがあります。これはオタク」を指すスラングです(厳密にいえば機械やSFが好きな理系男子といったニュアンス) 。詳しく掘ると"デラソウル"や"メインソース"などのグループがいますが、いわゆるなイメージのHip-Hopシーンを間近で見ていた冴えない"オタク"たちが憧れて作った曲が「こいつら超イカすじゃん!」と認められ後に大きなムーブメントを起こします。

 

ですが、CreepyNutsはナードとも違います。彼らは完全なオタクでもないわけなんですよ。リア充でありたいけどそれを望んでいない、クラスの1軍にも2軍にもなれない1.8軍ぐらい。でもそこがミソであり共感できる大部分だと思います。

 

CreepyNutsに「だがそれでいい」という曲があります。

↓リンク貼っときます。

https://youtu.be/iqhDgOB_d-Q

MVを見ればよりビジュアルとして一目瞭然なのですが、まさに僕がここまで述べてきたことを100%ジュースにしています。否定したいけど、どこかできない「うん、あったよな...」という感覚。自分はもちろん同じ境遇のリスナーにドンズバに刺さるんです。

そういった要素がしっかりと曲に落とし込まれていることでHip-Hopという音楽ジャンルのイメージをいい意味で変え、間口を広げたことが最近の人気に繋がっていると思います。

 

人気が出るのにはちゃんと裏打ちもあります。ラッパーのR-指定はMCバトルの大会"UMB"を三連覇、DJ松永はDJの大会"DMC"で日本大会、世界大会と優勝しました。

どれくらいすごいの?と疑問を抱く方もいると思います。少し解説しますね。

 

まずはR-指定のUMB三連覇から、

MCバトルというのはHip-Hopの派生ジャンルで、ラッパー同士がビート(曲)の上でラップをしてどちらがより上手いかなどスキルを競うものです。

R-指定はMCバトルでも進化した"フリースタイル"で日本一を三回しています。

本来、MCバトルはネタ(元々用意していたフレーズなど)をビートの上でどれだけかっこよく歌い相手をディス(did=貶す・罵る)れるかを競うものでしたが、最近ではさらに進化していかに"即興"、その場で考えたことでより優れてかっこいいかの勝敗を決めるようになっています。つまりR-指定は即興ラップ日本一ということです

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余談ですが世界的に有名なラッパー、エミネムもMCバトル出身の人です。先輩おはようございます!!

 

既に終わってしまった番組ですが、「フリースタイルダンジョン」が国内のMCバトル熱の火付け役と言ってもいいでしょう。そこでR-指定はモンスター、ラスボスとして戦っていました。百聞は一見にしかずなので、インターネットで「R-指定 MCバトル」と調べてみればどんなことやってんのか分かると思います。

 

とにかくえげつないぐらいラップが上手いんですよ。日本で一番上手いと思います、厳密にいうと一概に言えませんがMCバトルでは一番です。圧倒的スキルと性格の悪さから繰り出すラップは自分が相手だったらその場で泣いてます。そもそも僕がHip-HopにハマったのもMCバトルで、R-指定のバトルを見たことがきっかけでした。インターネットに上がってるR-指定のMCバトルは一語一句覚えてるぐらい擦り切れるほど見ました。(ネット上に上がってちゃダメなんだけど...)

 

続いてDJ松永について、

DJというと「なにがすごいの?」とか「後ろで踊ってるだけじゃん」というイメージを持たれがち。それはファンキーモンk...失礼、メジャーシーンにいるDJのせいが大半だと思います。

 

DJにも種類があります。大まかに3つです。

・クラブDJ・・・クラブで曲を流すDJ

・ライブDJ・・・グループやライブでDJをする

ターンテーブリスト・・・バトルDJとも呼ばれDJのスキルを磨いて競う

 

といった感じです。DJ松永はターンテーブリストで、そのスキルを競う大会の世界大会で優勝し世界一になりました。

それまでDJ松永は大会記録がありませんでした。むしろR-指定の三連覇が先導していてそのサブというイメージもあったかも。

ですが、先日飛ぶ鳥を落とす勢いで日本一、世界一になってしっかりとR-指定と肩を並べる。日本人が今までDMCで世界一を取ったことがなくその意味でも前人未到を成し遂げました。

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DJはまず初心者じゃできないぐらい難しい...、本当にすごいことです。

実力と経歴を持った二人が作る音楽は技術だけでもレベルが高いですよね。

最近のCreepyNutsブームはDJ松永が世界一になってから勢いをさらに増した印象があります。

 

最後に、CreepyNutsがすごいのは「メジャーシーンで活躍している」ところだと思います。

 

Hip-Hopは冒頭でも話したように、「怖い」「悪い」「危険」などイメージを持たれます。故にアンダーグラウンドな音楽ジャンルでもあります。イメージのことだけでなく、メジャーシーンなどに対して持つ不満や対抗意識を曲にするのもよくあることです。日本かつメジャーでHip-Hopをやるにはスチャダラパー、RIPSLYME、ケツメイシのようなセルアウト(世間に媚びるといった意味のスラング)をしないといけない。

ですが、CreepyNutsは「最高に不器用なHip-Hop」を掲げて真っ向から勝負しています。

まだインディーズのときに出した1st EP「たりないふたり」は、お笑い芸人の山里亮太(南海キャンディーズ)と若林正恭(オードリー)からなるお笑いユニットが元になっています。

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元々R-指定は山里、DJ松永はオードリーが好きでラジオなどもよく聴いていたそう。そして山里・若林の「たりないふたり」も好きで、そこからインスピレーションを受け作ったのが1st EP「たりないふたり」。

ややこしいですね(笑) ややこしいのもCreepyNutsがお笑いユニット「たりないふたり」に共感し、コンセプトやビジュアルをいわばパクったんです。

後日談なのですが、CreepyNutsのANN0にオードリー若林がゲストで来た回で、Hip-Hopが好きな若林が当時知り合いのスタッフにCreepyNutsの話をしたところ「たりないふたりのパクリじゃないか?」と一悶着起きそうになり、リスペクトが込められていると誤解されないよう必死に釈明したというエピソードがありました。関係者からすればそりゃそうですよね(笑) それはあくまでHip-Hopの文化であって、それとこれとは別ですし著作権ギリギリのところですから。でも、その時若林が誤解を解いていたから今までCDが存在していて、二人が憧れていた人物に遠回りですが繋がっていた運命は感慨深いです。

 

かなり話が逸れてしまったのですが、学生時代から上手く生きられず、自分たちが好きなHip-Hopでも居場所を探す状況。そんな二人の苦悩や鬱憤をユーモアと音楽性を持って世に出したのが「たりないふたり」。つまり、「たりない自分」が原動力なわけです。

そして楽曲制作を続けていくにつれ共感するリスナーが徐々に増えていきメジャーデビューにまで至る。聴く人によっては「CreepyNutsがHip-Hop...」といった意見もあるし、事実自分の周りに聴かない人もいます。ややポップでセルアウト的にも取れますしね。

しかし、いちヘッズの僕から言わせてもらえばメジャーに出ることは音楽ビジネスにおいてまず大切な目標だと思うし、メジャーに出てから自分たちの好きなことをやればいいのであって、まず評価される土俵まで上がって来いよって思います。アングラに守られて成功者と距離を置き努力しないだけだろと。狼煙を上げるアングラが好きなんであって、ぬるま湯に浸かってるのなんかHip-Hopじゃないですよ。

 

CreppyNutsは自分たちの欠点を曝け出して、自分たちにしかできない曲を作っている。それに共感するリスナーがいて文句を言わせないスキルと実績がある。最高にヒップホップですよ。メジャーシーンでヒップホップをやる難しさは未だにそしてこれからもありますが、いちヘッズとしてはメジャーで頑張ってるHip-Hopが見たいんですよね。そしてこの二人に憧れてる自分がいます。CreepyNutsがRHYMESTARに憧れたように。

 

ニッポン放送で三年目になるANN0も面白いですしね、これはラジオのブログで別に語ってるのでよければ読んでほしいです。

 

とまあ、ここまでベラベラと語ってきたわけなんですが上手く魅力を伝えられているか心配です。また、Hip-Hopはイメージで避けられがちなので文章も知識が独り立ちしてないか気をつけながら書きました。興味を持って聴いてくれたけど、好きじゃなくてジャンルごと嫌いになられるのが一番寂しいです。その人に合わないだけでどうすることもできないからしょうがないんですけどね。僕と趣味が似ていたり性格が近い人はきっとCreepy Nutsを気に入ってくれると願っています。なかなか僕もたりないし、もはやたりていない自分が嬉しい変態野郎です。

 

ここまで読んでくださった方は長いことお付き合いいただきありがとうございます。

 

それではこの辺で、  バーイ、センキュー🙋‍♂️