どうも、sohです。
今回のブログは少し真面目な内容になります。
真面目なことも書けるんだぞってところ見せちゃいます。
今回の内容は「広告」
なぜ唐突に広告についてブログを書くのか疑問を抱かれたと思います。つい先日スポーツ関連商品を扱う「NIKE」がとあるCMを公開したことで話題を呼んでいます。
↓にまだ見ていない方のためにリンクを貼っておきます。
このNIKEのCMを中心に起きていることで僕なりに書こうと思った所存なわけです。
※あくまで一個人の見解であり、このブログが特定のものを批判している訳ではありません。
本題に入ります。ズバリなぜこのNIKEの広告が問題視されているのかですよね。CMの内容に触れながら話をしていこうと思います。
登場人物に三人の女の子が出てきます。
この三人は皆、日本の学校に通う学生ですが国籍はそれぞれで違います。韓国、日本、アメリカの三つの国籍がCM内で存在していることが分かります。
一人は在日韓国人として、一人はハーフであること、一人はいじめの問題を学校という一番身近な社会で表現しています。
・韓国籍の女の子は韓国の伝統衣装であるチマチョゴリを着ているシーンがあります。韓国人として日本にいることに孤独を感じている。
・アメリカと日本のハーフと見られる女の子は周りからの目や自分が持っている個性に悩んでいる。
・日本人の女の子は学校で受けているいじめや学校社会の窮屈さに苦しんでいる。
でも彼女たちは自分らしくいていいことに気づき、スポーツ(サッカー)を通して彼女たちは解放されます。この三人は同じサッカーチームに所属しているチームメイトなんですよね。
といった内容で、実際に見てもらうのが理解が早いですけども。
人種、移民、いじめなどの現代社会が抱える問題をテーマに、平等で実力主義なスポーツが持つ力とそこに関わる人々を私たち「NIKE」は応援している。というメッセージを感じられるCMだと私は思いました。
しかし、このCMは見た人に「日本が差別的な国」と受け取る人が多かった。また、CM内の彼女たちと同じ境遇の人たちが日本でこんな体験したことないよ?といった意見があがっています。日本における国際問題など諸々を含めるとより複雑な意見が行き交いますが、そういった印象操作を感じる内容と受け取られてしまった。SNSでは不買運動やNIKEの商品を処分するなどと意見する方も見られます。
国際問題や人種問題にもっと向き合っていくべきだと私自身思います。しかし、事実日本に住んでいる以上実感がないのも確か。したがって、私は「広告」という観点から少しだけ物申したい。詳細なことは"専門家"が語ってくれるでしょうし。
※ここらは個人の意見が強くなるので予めご了承ください。
写真の勉強をしている端くれからすると、大前提として広告は伝わらなければ意味がないと思います。誰にも反応されないものを作ったところで何の宣伝効果にもならない上にお金と労力の無駄です。広告というのは想像以上のお金がかかります。
ですから、内容はどうであれ話題性や強いものを打ち出すことはまず当たり前の行為で、そういった意味ではこのNIKEのCMはこれだけの反響があった事実が充分広告として成功していると思います。
また、企業広告だからできたことだと思います。商品広告では新商品など商品がメインになるためそれ以外の情報はなるべく削がれます。(特に政治、経済、宗教などは)
「私たちNIKEはこうです!」と打ち出して今回こういう反響を呼んでしまっていますが、企業広告になせることです。
そして、見る側にも問題があると思います。
最近は純粋に受け取ることができない社会になりつつある気がします。このNIKEのCMに限らず、「〇〇だから放送中止しろ」とか「〇〇を連想させるから今すぐやめろ」など世の中に出しづらくなっていると思います。そのせいで作る側も様々なことを考慮して雁字搦めになってしまう。どんなことにも言えますが、全員が納得するものなんかできないんですよ。例えそれが作れたとしても上辺だけの内容で中身が薄いものができます。
ひとつの広告を作るにしても、たくさんの人たちが関わっています。そしてそこに関わる人たち全員がいいものを作ろうとして仕事をしているはず。きっとこのCMを公開するにあたってのリスクなどもプロですから承知の上で公開したということは制作者全員が一致していて、できたものに自信を持っている。
僕は最初このCMを見たとき「うぉ〜、かっこいいな...」と思いました。メッセージやテーマが明確で、伝えるための技術や工夫が散りばめられている。そしてしっかりと熱量を感じました。
それを強く感じさせるのが途中に登場する女子サッカー選手の永里優季さんです。
「あり得ないって」とセリフを言うのですが、説得力と力強さにその瞬間ぐぅわ〜って込み上げるものがありました。日本代表経験もある一流アスリートで、女性が社会を動かしていくこれからの意味でも永里さんがCM内で定義されている問題を一蹴するような演出は胸が打たれました。
広告でタレントを起用するのはただ人気俳優やアイドルを使うということでもない。
僕が好きなCMがあるのですが今から30年前くらい前、女優の桃井かおりが起用されたチョコラBBドリンクのCM。天気がいい土手に座り込む桃井かおりが「世の中、バカが多くて疲れません?」と一言。放送後視聴者からクレームを受け「お利口が多くて疲れません?」とセリフが差し替えになったというCMです。
これをアイドルに可愛く言わせればもしかしたらクレームはなかったかもしれません。しかし、消費者が持つ桃井かおりの女優像を上手く利用して世間を皮肉する気持ち良さがあります。気になったらインターネットで調べてみてください。
SNS上で「この炎上している状態がNIKEがCMに込める意図そのものだな(ドヤッ 」といった俺は違う物の見方ができるみたいな投稿をちらほら見かけますが、お門違いですね。不買運動や処分するという意見や内容に直接言及している人の方がよっぽど潔いですし、上から見物して優越な気持ちになっているのか知りませんがあなたが言う"同じ見方"の意見となんら変わらないですよっていうねっ、
おっと失礼、これ以上はやめておきます。僕の性格的悪い面が出てしまいました。
NIKE側がここまでの反響を逆算して制作し公開したのであれば素晴らしいマーケティングだと思います。流石大手スポーツメーカーと言わざるを得ないけど、そこまで完全に考慮しているかな?と僕は感じます。
このCMの内容は我々バスケファンにも少なからずリンクします。CM内のハーフの女の子が大坂なおみ選手の動画を見るシーンがあります。コメント欄に「彼女はアメリカ人?日本人?」と心ないコメントがあり、女の子は自分を重ねるわけですよね。
NBAでいえば八村塁選手、彼も同様に肌の色や国籍で似た境遇をしたでしょうしドラフトや日本代表のときもそういった声があったのを覚えています。大坂なおみ選手や八村塁選手は日本人として日本のために戦ってくれている。それ以上に日本人なことがありますかと問いたい。スポーツは唯一、競技上では才能や能力がある人なら誰でも平等です。
それを全力で応援するというNIKEの意志が汲み取られておらず表面化された問題にしか目が向けられていないことに悲しいです。
数年後同業者に「あの(NIKEの)広告炎上してたけど、かっこよかったよね」とディレクターやカメラマンが言われるために作った感があります。上手く説明できないけど、そう言われる広告だと思います。時間が経っても良いと言われるものを作るのがクリエイター冥利に尽きますよ。自分も物作りで大切にしたい部分です。
ということで少し真面目なブログでした。
しつこいようですが、あくまで一個人の見解で特定のものを批判しているのではなく、こういう考えのやつがいるよということでご理解いただけると幸いです。
それでは今回はこの辺で、バーイ!センキュー🙋♂️